奉納余興のあらすじ

気になる演目のお話し

※当番町によって得意な演目があり、また一部を除き、毎年この全ての芸題を上演するわけではありません
 

三番叟 その年の最初を彩る宵祭の縁起物

 十二人の子を持つ子福者が四季の遊びの面白さを語る物語。
正しくは「祝儀子宝三番叟(しゅうぎこだからさんばそう)」といい、古典技法が数多に見られる非常に芸術性の高い作品となっている。
劇場の開場式などの幕開けに演じられるお目出度い曲で、山あげ祭でも宵祭の笠揃に必ず初めに演じられる


 

将門(忍夜恋曲者) シンボルともいえるガマガエルが登場

 平将門滅亡後、源頼信の命を受けた大宅太郎光國(おおやたろうみつくに)は将門一派の残党狩りの為、蝦蟇(がま)の妖術を使う怪しいものが出るという、相馬の古御所に探索に行く。光國が古御所の中で旅姿のまま転寝をしていると、ふと、不気味な空気を感じ目を覚ました。するとそこに絶世の美女が現れる。不審に思った光國は斬りかかろうとするが、その女は京の都の島原の絶世の美女・如月(きさらぎ)と名乗り、色仕掛けで光國を味方に引き入れようとする・・・・。
 如月が身の上話をする中で、光國は、将門の娘・滝夜叉姫(たきやしゃひめ)であろうと察し、将門の乱の模様を細かに語り始める。将門落命の様子を聞くと如月は涙を流し始める。
 如月は取繕うとするが、将門の形見である相馬錦の御旗を落としてしまう。それを見た光國に滝夜叉姫であると見破られ、ついに正体を明かし、光國のからだを妖術によって天空高く引き上げようとする。光國は、刀を振るうも滝夜叉姫の妖術に苦戦する。
 何とか、振り払い大立ち回りになるが、滝夜叉姫は何処ともなく消え去って行ってしまう。
この曲は、浄瑠璃も踊りも傑作とされる曲であり、山あげ祭の、仕掛けにも良く調和する名曲です。
 

戻り橋 クライマックスの鬼女は迫力満点

 ある日の夜更け、渡辺綱(わたなべのつな)が京の一条戻り橋に差し掛かると、一人の美女小百合(さゆり)と出会う。こんな夜更けに女性一人でいることを不審に思い、綱が家まで送ろうと申し出る。
 小百合と連れだって橋を渡る際、綱が水面を見てみると、物凄い形相の鬼女が映っているではないか。綱は、これは愛宕の悪鬼の化身ではと思い探りを入れる。
 小百合は、自分の父は扇折(おうぎおり)であると告げると、綱は舞を所望し、小百合は華麗に披露した。さらに探りを入れると、未だ名乗らなかった綱の名を小百合は何故か知っていた。そのことを問い詰めると、それは恋しい人の名だからと告げるが、綱はそれが嘘であり、妖魔の術を使い名を知ったのだろうと言う。
 本性を見破られ小百合は鬼女へと姿を変え大立ち回りになる。鬼女は綱の襟首をつかみ愛宕山の棲み家へ連れ去ろうとするが、腕を太刀で切り落とされたまま逃げ去ってゆくのであった。

 

蛇姫様 烏山の民話をもとにした美しき忠義伝

 万治三年、烏山城主堀親良の息女、阿六姫(おろくひめ)が家老達の悪性を密書に綴り、腰元である楓(かえで)に託し自刃してしまう。楓は迫害を受け、ついには追手に追い付かれる。その危険の折に白蛇の精が現れ、追手と大立ち回りの後に雲の中へと消えていった。その後楓は無事江戸に密書を届け果せた。烏山の情景を織り込み、船頭や村娘、蝶の舞も美しい演目。
(この物語は川口松太郎の『蛇姫様』とはストーリーが異なる)

 

梅川 身を焦がす恋の心中物語

 大阪の飛脚屋の養子・忠兵衛は、なじみの遊女・梅川を身請けするため預かった為替の封印を切る大罪を犯す。

男の一分にかけた純情な忠兵衛と利発で心やさしい純愛を捧げる梅川との難波の恋の物語である。大罪を犯し、追手に追われながらの駆け落ちは、やがて生まれ故郷の新口村へと心中の道におちていく。

山あげ祭では、(上)のみを行うことが多い。

 

 

吉野山狐忠信 姿は変われど会いたいと願う狐の親子愛

 兄頼朝と不仲になった義経は、今は吉野山にかくまわれているという。都で義経と別れた静御前(しずかごぜん)は、義経の後を慕って桜が満開の吉野山までやってきた。供をするのは義経の家臣佐藤忠信(さとうただのぶ)ただ一人。しかし、その忠信をも見失い、静は淋しさのあまり義経との別れの際に手渡された「初音の鼓」を打ち始める。すると、春風に誘われるようにいずくとも知れず子狐が現れ…。

実は、この狐は初音の鼓に使われた雌狐と雄狐の子であった。忠信の姿に化けて鼓を持つ静御前を守護していく。

 

 

乗合船 恵方漫才

新年を迎えた隅田川の渡し船に乗り合わせた人々の芸尽くしを踊るもので、登場人物の女船頭、太夫、才蔵、白酒売り、大工、通人、芸者らがそれぞれ得意の芸を面白楽しく披露する。

船を「宝船」登場人物を「七福神」に見立てられ、おめでたい席で踊られる舞踊である。

また。市制10周年になり、JR烏山沿線の七福神に掛けて、平成27年山あげ祭初演目となる

 

関の扉(下)最終日の夜(笠抜)に上演

 桜を切り倒そうと斧を振り上げた関兵衛の前に現れた女の人影。訝しがる関兵衛に、私は京都伏見撞木町の傾城太夫・墨染(すみぞめ)で愛しい貴方の為に来たと話す。廓遊びをした事がないという関兵衛に墨染は身振り手振りで話して聞かせる。廓遊びを真似てしばらく興に入る関兵衛と墨染。そんな最中、関兵衛が落とした片袖を見て泣出す墨染。実は彼女は喜怒哀楽愛悪慾の七つの情けを受けて具現化した老桜「小町桜(墨染桜)の精」で、人である傾城「墨染」に具現化した際に安貞と恋仲になり、恋人を手にかけた大伴黒主に復讐するために現れたのだった。互いの本性を知り大立ち回りへ。


 

老松 千秋楽に演じられる永久不滅を意味する演目

  最古曲のご祝儀もので、歌詞は謡曲の「老松」と史記の中にある「始皇帝本記録」から出典されている。